障害者総合支援法ってなに?考え方をやさしく解説

就労継続支援A型やグループホーム、ホームヘルプなど、障害福祉サービスの多くは「障害者総合支援法」という法律がもとになっています。名前は聞いたことがあっても、中身は難しそうだと感じる方が多いかもしれません。この記事では細かい条文には入らずに、この法律がどんな考え方でつくられているのかを、できるだけやさしくお話しします。サービスを使うときに「なぜこういう仕組みなのか」が分かると、相談もしやすくなります。
ひとことで言うと、どんな法律?
障害者総合支援法の正式な名前は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」です。とても長い名前ですが、ここに法律の目的がそのまま書かれています。つまり、障がいのある人の「毎日のくらし」と「社会とのつながり」を、まとめて支えるための法律です。
「日常生活」は、食事やお風呂、家事、通院など、毎日のくらしのことです。「社会生活」は、働くこと、学ぶこと、地域の人と関わることなどを指します。どちらか片方だけではなく、両方をひとつながりで支えようという考え方が、名前にこめられています。
この法律があることで、全国どこに住んでいても、同じ仕組みで障害福祉サービスを使えるようになっています。ただし、実際の手続きや使えるサービスの細かい内容は、お住まいの市町村によって変わることがあります。
法律が大切にしている考え方
この法律には「基本理念」といって、法律全体の土台になる考え方が書かれています。条文の言葉はかたいので、ここでは中身をかみくだいてご紹介します。
- 一人ひとりの尊厳を大切にする:障がいがあってもなくても、ひとりの人として大切にされること
- 共に生きる社会をめざす:障がいの有無で分けられることなく、おたがいの人格と個性を尊重しあいながら暮らせる社会(「共生社会」と呼ばれます)
- どこで誰と暮らすかを選べる:身近な地域で必要な支援を受けられて、住む場所や一緒に暮らす人を自分で選べること
- くらしの中の「かべ」を取りのぞく:生活のさまたげになっている社会の側の問題を減らしていくこと
どれも、障がいのある人を「守られる人」としてだけ見るのではなく、自分の人生を自分で選んで生きる人として見ている点が共通しています。サービスは、その選択を支えるための道具だと考えると分かりやすいかもしれません。
「社会的障壁」ってなに?
基本理念の中に出てくる、少し聞きなれない言葉が「社会的障壁(しゃかいてきしょうへき)」です。かんたんに言うと、障がいのある人にとって、生活や社会参加のさまたげになっている社会の側の「かべ」のことです。
たとえば、段差が多くて車いすで入れない建物、文字だけで案内されていて分かりにくい手続き、「障がいがあるならこの仕事は無理だろう」という思いこみなどがあてはまります。建物のつくりだけでなく、決まりごとや習慣、人の考え方も「かべ」になりうる、というのがこの言葉のポイントです。
「できないのは本人のせい」ではなく、「まわりの環境を変えれば、できることが増えるかもしれない」。社会的障壁という言葉には、そんな見方が含まれています。
対象になるのはどんな人?
この法律で対象になっているのは、主に次のような方です。
- 身体に障がいのある方
- 知的障がいのある方
- 精神障がいのある方(発達障がいのある方も含まれます)
- 法律で決められた難病のある方
難病のある方が対象に含まれていることは、意外と知られていません。また、障害者手帳を持っていなくても、サービスを使える場合があります。たとえば医師の診断などをもとに判断されることもあります。
ご自身やご家族が対象になるかどうかは、状況によって変わります。気になる方は、お住まいの市町村の窓口や相談支援専門員に確認してみてください。
サービスは大きく2つの仕組み
この法律にもとづくサービスは、大きく分けて2つの仕組みでできています。ひとつは、全国共通のルールで提供される「自立支援給付(じりつしえんきゅうふ)」です。もうひとつは、市町村が地域の事情に合わせて行う「地域生活支援事業(ちいきせいかつしえんじぎょう)」です。
自立支援給付の中には、さらにいくつかの種類があります。食事や入浴の手伝いなど介護を中心にした「介護給付」と、働く力や生活する力を身につけるための「訓練等給付」が代表的です。ほかにも、相談支援や、医療費の負担を軽くする仕組みなどが含まれます。
- 介護給付:ホームヘルプ、生活介護、短期入所(ショートステイ)など
- 訓練等給付:就労継続支援A型・B型、就労移行支援、自立訓練、グループホームなど
- 地域生活支援事業:移動の支援、相談、手話通訳の派遣など(内容は市町村ごとにちがいます)
私たち「ほまれの家」が行っている就労継続支援A型は、この中の訓練等給付のひとつです。B型や就労移行支援も同じ仲間で、それぞれに目的や良さがあります。どれが合うかは、その人の希望や体調、今の状況によって変わります。
「自分で選ぶ」を支える流れ
この法律では、サービスを使うときに、まず市町村に申請をして、使えるかどうかを決めてもらう流れになっています。そのあと、相談支援専門員と一緒に「サービス等利用計画」という、どんなサービスをどう使うかの計画をつくります。
ここで大切なのは、計画の出発点が本人の希望だということです。「こんなふうに暮らしたい」「こんな仕事をしてみたい」という思いをもとに、必要な支援を組み立てていきます。法律が大切にしている「自分で選べる」という考え方が、手続きの流れにも生かされているのです。
利用料についても、世帯の所得に応じて負担が決まる仕組みになっています。具体的な金額や手続きは人によってちがうので、市町村の窓口や相談支援専門員にたずねてみてください。
ほまれの家が大切にしていること
私たち株式会社orchidは、「一人ひとりの尊厳を守り、自立と共生が循環する社会を創る」という社是をかかげています。この法律が大切にしている「尊厳」や「共生」という考え方と、目指している方向は重なっていると感じています。
代表の山﨑は、「働く」ことを通じて、人が本来持っている価値や可能性を引き出したいと考えています。そのために、「できる環境」をつくることに本気で向き合うことを大切にしています。これは、社会の側の「かべ」を減らしていくという、法律の考え方ともつながるものです。
ほまれの家では、化粧品の検品・梱包・EC発送、AIを使ったチラシやホームページの制作、自動車部品のバリ取りなどの軽作業といった、実際の仕事に取り組んでいます。「できない理由」ではなく「できる可能性」に目を向けながら、一人ひとりに合った働き方を一緒に考えていきたいと思っています。
まとめ
障害者総合支援法は、障がいのある人の毎日のくらしと社会とのつながりを、まとめて支えるための法律です。その土台には、一人ひとりの尊厳を大切にすること、共に生きる社会をめざすこと、どこで誰と暮らすかを自分で選べること、社会の側の「かべ」を減らしていくこと、という考え方があります。就労継続支援A型も、この法律にもとづくサービスのひとつです。細かい条件や手続きは人や地域によってちがうので、迷ったときはお住まいの市町村の窓口や相談支援専門員に相談してみてください。ほまれの家でも、見学やご相談はいつでもお受けしています。
よくある質問
法律のことをくわしく知らないと、サービスは使えませんか?
いいえ、法律の中身をくわしく知らなくてもサービスは使えます。手続きや使えるサービスについては、市町村の窓口や相談支援専門員が一緒に考えてくれます。この記事のように「どんな考え方の法律なのか」をざっくり知っておくと、相談するときに話がしやすくなります。
障害者手帳を持っていないと、対象になりませんか?
手帳がなくても、医師の診断などをもとにサービスを使える場合があります。また、法律で決められた難病のある方も対象に含まれています。ご自身が対象になるかどうかは状況によって変わるので、お住まいの市町村の窓口や相談支援専門員に確認してください。
就労継続支援A型は、この法律のどこに入るサービスですか?
就労継続支援A型は、自立支援給付の中の「訓練等給付」に入るサービスです。同じ訓練等給付には、就労継続支援B型や就労移行支援、グループホームなどもあります。目的や働き方がそれぞれちがうので、ご自身に合うものを相談しながら選んでいくことが大切です。
Visit & Consult
見学・相談は、いつでもどうぞ
岐阜県大垣市の就労継続支援A型事業所「ほまれの家 大垣店」。
まずは雰囲気を見に来るだけでも大丈夫です。


